自家培養軟骨細胞(ACP)を用いた移植術による低侵襲膝関節軟骨再生治療の臨床研究

実施期間 2021年3月31日まで
目的 患者さんへの負担をできる限り少なくできるような、より簡便な移植方法によって、軟骨細胞が安全に移植できること、移植部に軟骨が再生すること、症状の改善の程度を確認することです。さらに、MRIや関節鏡検査や活動性(運動の量や時間)を検査し、どのような評価を行えば、治療効果を測定できるかの検討をすることです。
研究機関 大阪大学 スポーツ医学/整形外科
主任研究者 中田 研
対象疾患 膝関節の限局性軟骨欠損症(2㎠~9㎠の欠損面積、外傷性軟骨欠損症及び早期の変形性膝関節症を含む)
対処患者さんの選択基準 1.膝関節の疼痛の症状を有し、保存療法や薬物治療に対し疼痛の改善が不十分な患者さん
2.MRI検査で部分的に軟骨が欠損していると診断された患者さん
3.16歳以上(同意取得時)の患者さん(性別は問いません)
4.関節鏡検査にて以下の項目を満たしている患者さん
  • 軟骨の欠損の深さが軟骨の厚みの50%以上となっているまたは直径1.5cm以上の亀裂が軟骨の下の骨まで達している(ICRS分類:Ⅲ、Ⅳ またはOuterbridge-Brittberg分類 Ⅲ、Ⅳ)患者さん
  • デブリドマン(軟骨が欠けている部位や周辺部位の洗浄など、傷ついた部分の外科的掃除)後の軟骨欠損面積※が2 cm2以上9 cm2以下である患者さん(※軟骨欠損面積=長径×短径)
  • 膝関節の体重負荷のかからない部位から正常な全層(ぜんそう)軟骨組織(表面から骨の近くまでの軟骨)を採取することができる患者さん
5.ご本人の自由な意思により臨床試験参加に同意し、同意書にご署名をいただけた患者さん
意義 現在、早期の変形性膝関節症に対する再生医療を用いた治療法については、未だ確立されていません。この臨床研究の対象は、外傷による軟骨欠損症だけでなく、早期の変形性膝関節症も含みます。早期の変形性膝関節症を治療できれば、将来的に新しい治療法となる可能性があります。
また、軟骨欠損症に対する再生医療を用いた治療法については、これまでの方法では膝を切開するなど患者さんへの負担が大きいため、この負担をより少なくすることが求められます。この臨床研究では、関節鏡による移植法を用いることで、患者さんへの負担をできる限り少なくした簡便な治療法を目指しています。
さらに、軟骨欠損症の治療に対する効果を定量的に評価できる方法の確立は、治療のおける大きな意義があると考えています。
プライバシーの保護 プライバシー確保のため、患者さんが特定できないようにデータを処理した上で研究解析を行います。研究結果を公表する際には、患者さん個人が特定されることはありません。
研究への参加を拒否する場合 ご自身のデータを研究に使ってほしくないとお考えの場合には、主治医までご連絡ください。
本研究に関する
問い合わせ先
大阪大学大学院医学系研究科健康スポーツ科学講座スポーツ医学 中田 研
連絡先電話番号:大阪大学整形外科
06-6210-8439