股関節手術後の四次元動作解析システムの開発

7.モーションキャプチャ精度の向上について

現在のシステムでは、平地歩行、階段昇降動作など股関節角度が著しく大きな値とならない動作では、他の計測法による結果(例えば電気角度計[3]) と同様な値が得られている。しかし、現在の問題点として椅子の立ち座り動作など股関節の屈曲角度が大きくなった場合に、内旋/外旋方向について現実には起こり得ないような動きをする場合がある。原因としては、体表面マーカーが骨格位置に対して大きくずれてしまっていることが考えられるが、このずれは体表面マーカーを使用している限り程度の差はあっても必ず発生してしまう問題である。
対処方法として、膝関節部分に注目し大腿骨の下面および脛骨の上面が互いにめり込まない、または開きすぎないような制限条件を与えることを考えている。具体的には、まず大腿骨の下面および脛骨の上面同士の干渉を判定し、干渉している場合に関しては内旋/外旋角度を下腿部の情報から計算する、という方法を考えている。