• ホーム
  • 個人情報保護方針
  • サイトポリシー
  • サイトマップ
  • English
整形外科からのお知らせ

第88回 日本整形外科学会学術総会開催報告

おかげさまで、第88回 日本整形外科学会学術総会を無事終了することができました。学会会長の吉川秀樹整形外科教授より、開催報告があります。

88回 日本整形外科学会学術総会開催報告

吉川秀樹

___________________________________

88回日本整形外科学会学術総会会長/大阪大学大学院医学系研究科・

器官制御外科学(整形外科)

 

88回日本整形外科学会学術総会を平成27年(2015年)521日(木)から24日(日)まで、神戸市(神戸ポートピアホテル、神戸国際会議場、神戸国際展示場)で開催させていただきました。大阪大学での開催は、4回目(第25回、第33回、第66回、第88回)となりました。本学術総会のテーマは「世界へ 未来へ Be Innovative!!」と致しました。大阪大学医学部は江戸時代、緒方洪庵によって大阪北浜に開かれた適塾を源流としますが、「扶氏医戒之略」に表される高潔で利他的な精神とともに世界へ、そして未来へと目を向けた教育が開学以来行われてきました。現在、我々の整形外科分野においてもまさに世界的、未来的な視点からの新たな発見や発明、医療貢献が強く求められています。また、本学術総会のちょうど5年後には2020年東京オリンピック・パラリンピックをひかえており、今後益々グローバルな視点や考え方がより重要になります。本学術総会では、世界へ、そして未来へ向けて日々活躍、努力されている先生方に多数ご講演いただき、活発に議論していただきたいと考えました。

プログラムは、特別講演1、基調講演1、会長講演1、文化講演1JOA/AAOS combined programの他、海外招待講演43、教育研修講演63、ランチョンセミナー43、イブニングセミナー10、シンポジウム32、パネルディスカッション21、スマホ参加型セッション9、ハンズオンセミナー4を企画致しました(表1:下記参照)。一般演題の応募総数は2239題であり(日本語2129題、英語110題)、採択率はほぼ例年通りの日本語65.7%、英語67.8%といたしました。多くの演題を応募していただいた会員の皆様に改めて御礼申し上げます。

会期中、特別展示として、緒方洪庵が大阪に開設しました適塾の資料(図1や大阪大学医学部OBの手塚治虫氏の医学作品などを展示し、紹介しました。会期4日間に渡り、天候にも恵まれ、一万人を超える参加者が得られました(表2:下記参照)。海外からも、200名を超える出席者が得られ、学術総会の国際化を実感することができました。以下に、各学会日の主な開催内容を報告いたします。

 

521日(木)(学会1日目):

開会式では、オープニングビデオ(大阪の町案内、関西著名人からの挨拶、阪大整形の紹介など)のあと、会長挨拶(図2、理事長挨拶、国家斉唱(図3が行われました。午前には、日本整形外科学会の岩本幸英理事長から、「わが国の整形外科を育てた人達」と題した特別講演をしていただきました(図4。我が国の整形外科が、未来へ、世界へと向かうためには、まず、整形外科の歴史、整形外科を育てた人達の業績を知ることが必要です。日整会会員に向けて、過去から未来への懸け橋となる素晴らしい講演をして頂けました。午後には、筆者から「整形外科:世界へ、未来へ-“洪庵のたいまつ”を継ぐ-」と題した会長講演をさせていただきました。講演の前半では、緒方洪庵が開学した適塾の理念と業績、洪庵のたいまつを継いだ数々の弟子たちの活躍を紹介しました。後半では、阪大整形で、筆者が関わりました骨形成研究について紹介し、最後に、若い整形外科医に望むことを述べさせて頂きました。夕刻には、基調講演としてインターロイキン-6IL-6)の発見者、大阪大学の岸本忠三先生から、「IL-6と共に40年-発見から創薬へ-」というタイトルでご講演いただきました(図5。本学術総会のテーマに相応しい、迫力ある講演をして頂き、感銘を受けました。基調講演の後、市民広場にて、全員懇親会を開催致しました。大阪学院大学チアーリーディング部によるオープニング(図6、恒例の鏡開きから始まり(図7、大阪らしく、お好み焼き、たこ焼き、箕面地ビールなどで、涼風の中、長時間、多いに盛り上がりました。

 

522日(金)(学会2日目):

2日目のSpecialty day では、スポーツ、股関節、足・足関節、骨粗鬆症、手・肘、腫瘍、脊椎、小児・外傷、リウマチ・疼痛、膝・TKA、合併症、肩と計12テーマを各会場に割り当て、シンポジウム、パネルディスカッション、教育講演等を企画し、一日中、各専門分野について集中して討論致しました。午後には、9会場において、各分野の『スマホ参加型セッション』を初めて企画しました(図8。オーディエンス一人一人が各自のスマホを使用して、診断や治療法の選択を行い、投票し、討論に参加しました。投票結果が瞬時にスクリーンに掲示され、この結果をもとに、会場全体で活発な議論が交わされました。今後のスマホ参加型セッションの普及が期待されました。

スポーツのテーマが続く、第1会場の午後には、全国大学ラグビー6連覇中の帝京大学ラグビー部監督の岩出雅之先生に、『つねに進化を目指してー選手の未来につながる指導のあり方』と題して、国内招待講演をお願いしました(図9。単に、ダグビーが強くなるだけではなく、人間力を身に付け、社会人としても世の中に貢献できる人材を生み出すための指導法について、講演して頂きました。日々の診療や研究に奮闘する若い先生方やその指導にあたる先生方にとって大変示唆に富む講演でした。膝・TKAの第10会場の午後には、「Total knee arthroplasty in Asia」と題した国際シンポジウムを開催し、アジア諸国のTKAの現状と課題を議論しました。夜の晩餐会では、大阪らしく、河内太鼓、河内音頭などを楽しんでいただき、多くの名誉会員、海外招待者の先生方とも、親睦を深めることができました。

 

523日(土)(学会3日目):

学会3日目の午前には、文化講演として、上方落語協会会長で、長年テレビやラジオで大活躍の桂文枝師匠に、『笑いはこころのビタミン剤』というテーマで、ご講演頂きました(図10学術講演の合間に、我々整形外科医に、笑いと活力を与えて頂きました。午後の第1会場では、昨年に引き続いてJOA/AAOS Combined Program を開催しました。今回は股関節分野にフォーカスして招待講演ならびに「Challenges for preserving patient’s joint by osteotomy and arthroscopy」と題したシンポジウムを行いました(図11。日本の股関節外科のレベルの高さを示すとともに、日本整形外科学会の国際性がさらに高められたと考えております。

 

524日(日)(学会4日目):

学会最終日は、午前に、骨軟部腫瘍特別研修会、午後には、例年通り、研修指導者講習会を実施いたしました。東京医科歯科大学教授の大川淳先生から「整形外科領域の医療安全、過誤と合併症のはざまで」を、日整会副理事長の落合直之先生に「新専門医制度に関して」を講演していただきました。専門医制度の動向や新専門医制度整備の進捗状況について理解が深められました。その後、閉会式を行いました。日整会の新理事長に就任された、京慈恵会医科大学整形外科の丸毛啓史教授、および、第87回日整会会長、神戸大学整形外科の黒坂昌弘教授より、ご挨拶を賜りました。また、日整会親善野球大会、サッカー大会の表彰を行いました。野球の決勝戦は、「ほっともっとフィールド神戸」にて行われ、東京大学、金沢大学が同時優勝いたしました。サッカーの決勝戦は、「ノエビアスタジアム」にて行われ、慶應義塾大学が優勝いたしました。その後、次期第89回日整会会長、横浜市立大学整形外科の斎藤知行教授に、会長メダルの引き継ぎを行い、閉会致しました。来年の第89回学術総会(横浜市)の成功を心より祈念しております。

 最後になりましたが、この度、第88回日本整形外科学会学術総会を無事開催することができましたこと、日本整形外科学会役員、会員の皆様、学会運営にご尽力頂いた関係者の皆様に深謝致します、また、運営にあたりました、大阪大学整形外科の教室員ならびに大阪大学同総会の皆様に感謝致します(図12

 

表1  プログラム内訳

 

会長講演

1

特別講演

1

基調講演

1

文化講演

1

招待講演

43

教育研修講演

63

ランチョンセミナー

43

イブニングセミナー

10

JOA/AAOS combined program

1

シンポジウム

32

パネルディスカッション

21

スマホ参加型セッション

9

ハンズオンセミナー

4

日整会奨励賞受賞演題

4

 

表2  参加人数

 

会員

8,877

 

研修会員

39

 

初期臨床研修医

123

 

非会員

782

 

学生

93

 

国内招待者

56

 

海外

209

 

JOA Travel Award

6

 

JOT Fellow

5

 

HKOA Ambassador

1

 

報道関係者

61

 

合計

10,252

 

有料参加者:計9,833

 

 

 

 

日本整形外科学会誌vol.89;No.9,634-637, 2015

学術集会会長報告「第88 日本整形外科学会学術総会開催報告」 より抜粋。一部改変。