診療内容

診療内容のご案内です。

4名のスタッフドクター(村瀬田中岩橋)が在籍し、あらゆる手・肘の疾患に対処出来る態勢を整えています。治療対象となる疾患は様々であり、外傷後の変形治癒、舟状骨偽関節、TFCC損傷、キーンベック病、リウマチの手、神経障害、先天異常、肘関節鏡、デュピュイトラン拘縮、手の腫瘍など多岐にわたります。 おもな疾患の手術療法をご紹介します。

1. 上肢骨折後変形治癒 (前腕骨折後変形治癒や内反肘変形など)

骨折後に骨が変形したまま癒合することを変形治癒と言います。

変形が高度の場合、関節の動く範囲が狭くなったり、痛みが出たりします。

当院では独自に開発してきたコンピュータ・プログラムを用いることで、CT画像検査データから、患者様ごとの変形度を正確に測定できます。

変形を矯正するために、患者様ごとの骨形状に合わせてコンピュータ上で手術ガイドを設計、作製します。

反対側の上肢の鏡像(半透明)と三次元的に重ねると、骨変形の度合いがはっきりと分かります。
実際に手術で
使用するガイド

ガイドに沿って骨を切り、固定することで正確な矯正手術を行います。

手術前
手術後
肘の部分で内側に変形していましたが、
反対側の上肢と対称な形になりました。

2. 舟状骨偽関節

舟状骨骨折は、スポーツや交通事故などで手をついて受傷することが多い骨折です。骨折部が癒合しない『偽関節』となることが比較的多い骨折としても有名です。当院では上記のコンピュータ技術を用いて骨の状態を正確に把握し、手術前に綿密な手術シミュレーションを行います。

舟状骨が2つの欠片に分かれて
偽関節となっています。
(右側CGの水色、ピンク色で示した部分)
| 手術シミュレーション
足りない骨は骨盤から採取して挟みます。(黄色で示した部分)
計画通りの形で
骨が癒合しました。

3. デュピュイトラン拘縮

デュピュイトラン拘縮は、手のひらから指にかけて皮下に硬いこぶのようなものができ、徐々に皮膚がひきつれて指が伸ばしにくくなる病気です。はっきりとした原因は不明ですが、高齢者や糖尿病の方に多く見られます。日常生活に支障を来す場合には治療が必要になります。以前はひきつれた線維を溶かす注射剤がありましたが現在は流通しておらず、線維を切り取る手術療法が中心となります。

手術前
手術後
手術後、中指と薬指が伸ばせるようになりました。

4. リウマチ手

関節リウマチでは、手指関節の炎症が長く続くと関節の破壊や靭帯の緩みが生じ、手指の変形を来すことがあります。変形が高度の場合、手指の力の入れにくさや手の使いにくさが生じます。患者様の症状や目標とするゴールを伺い、装具療法や手術療法を含めた選択肢の中から治療方法を相談いたします。

手術前
人差し指から小指が“こぶし"の関節部で
脱臼し変形しています。
手術後
手術後、中指と薬指が伸ばせるようになりました。

5. 母指CM関節症

母指(親指)の付け根にある『CM関節』は動く範囲が大きい分、負担のかかりやすい関節です。使い過ぎや加齢によって関節軟骨がすり減り、痛みや変形の原因となります。病状が進行して痛み止めの内服や注射、装具療法で改善が見られない場合は、手術療法を行うことがあります。

手術前
手術後
関節の傷み方が軽度の場合、中手骨の角度を変える『骨切り術』を行います。
手術前
手術後
関節がある程度傷んでいる場合、土台となっている大菱形骨を取り除く『関節形成術』を行います。

6. 野球肘

成長期の過度な投球動作によって起こる肘の障害のことを『野球肘』と呼びます。投球時の痛みや関節の動かしにくさが生じます。肘の内側では靭帯や成長軟骨の損傷、外側では関節軟骨の損傷や剥離が起こります。病状が初期であれば投球を中止し負担を避けることで自然治癒が期待できますが、進行すると手術が必要になることがあります。傷んでいる軟骨の範囲や剥離の度合いによって、様々な手術方法があります。

手術前
(左)レントゲン画像(右)MRI画像
病状が進行し、関節軟骨とその下の骨が広く剥がれています。(MRI画像 点線丸囲み部分)
手術後
(左)肋骨から軟骨の付いた骨を採取
(右)傷んだ部分を掃除し、軟骨付きの骨を移植します。
(右のレントゲン画像の点線部分)