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黒田早苗

平成16年入局 岡山大学卒業

女性整形外科医の需要は高いと感じています。

黒田早苗先生

こんにちは、平成16年入局の黒田です。私は平成10年に岡山大学を卒業し、岡山大学麻酔科に入局、卒後6年で大阪大学整形外科に入局しました。なぜ30歳も越えてから(!?)大阪大学整形外科に入局したかと申しますと、初心を顧みた時にやり残している大切な思いがあることに気付いたからでした。私は中学生の時に女子サッカー部に入り、以後高校、大学、研修医1年目までプレーヤーとしてボールを追いかけ、ゴールを狙い続けておりました。そんな中、いずれは医師として女子サッカーに携わりたいと考えるようになり、医学部に進学。大学卒業後の進路を決定する際に、病院内だけでなくフィールドでも活動するのなら、全身管理を身につけなければならないと思い、まず麻酔科に入局しました。当時から日本サッカー協会には女性チームは出来るだけ女性医師にとの方針があり、麻酔医であった私にもアメリカで行われる大会の直前合宿・大会遠征への帯同のオファーがありました。「うれしい」というだけで、無責任にもオファーを受けたのですが、出国前日のトレーニング中に選手が橈骨遠位端を骨折。私は単なる捻挫として、すぐに医療機関を受診させず、教科書的な知識でRICE処置のみ行っていました。すると夜になって選手が発熱、局所も腫れ上がり、たまたま同時に合宿をしていた他チームの整形外科医ドクターにこれは骨折しているから、早くレントゲンを撮って固定をしてあげないとだめだと言われ、夜間に病院を受診、選手・チーム・医療機関に迷惑をかけてしまいました。

そんなことがあって、その後オファーがあっても断っていましたが、学生の時からの夢をあきらめることが出来ず、6年もたって整形外科への転科を決心したのでした。転科する際、漠然とサッカー選手として選手生命を脅かす膝を勉強したいと思い、様々な立場(大学も様々)の3人の先生に相談したところ、全員一致していたのが大阪大学に入局して、靱帯再建や半月手術を積極的に行っている施設で研修するのがいいとの意見でした。こうなったら、大阪大学しかありません。お願いにあがったところ、他大学出身の女性、どこの誰かもわからないような私の入局を快諾して下さりました。入局後、大阪厚生年金病院、豊中渡辺病院、八尾市立病院で研修を受け(いずれも靱帯再建・半月手術あり)、女子サッカーチーム帯同の活動も再開しました。日本代表チーム帯同は1週間程度のキャンプが主ですが、大会によっては数週間から1か月と長期にわたることがあり、一般病院では限界があります。そこでまた、研究生として大学に所属するとの計らいを頂き、今回FIFA U-17女子ワールドカップ2010にチームドクターとして帯同することが出来ました。日本チームは準優勝の成績を上げ、メディカルスタッフにも銀メダルが授与されました。この経験は一生の宝物で、これまで関わってきた先生方のご指導・ご理解のおかげであると感謝しております。

私の身の上話で長々となりましたが、ここで大阪大学整形外科の魅力についてお話したいと思います。大阪大学整形外科の先生方は、他大学からも認められる多大な業績を臨床・研究双方においてあげておられます。また大人数が所属しているにもかかわらず、本人の希望を出来るだけかなえるようにとのことで毎年数回アンケートが送られてきます。これは人眼にはさらされないので、自由な希望・意見を書くことが出来ます。他の女性の先生方をみていても、事情によりワーキングスタイルを変更せざるをえない時期においても、十分な配慮をうけています。大阪大学は他大学出身者に閉鎖的だとのうわさも聞きますが、決してそんなことはありません。現に、私は他大学出身ですが、上に書いたようなわがままを聞いてもらっています。ご安心ください。

黒田早苗先生

スポーツ界での女子の活躍は目覚ましく、女性医師のサポートを必要としています。スポーツ選手を診るには整形外科の知識・経験は必須です。また高齢化社会となった日本では、医療現場に高齢の女性患者があふれております。彼女達のQOLを維持するためには、運動器を治療する整形外科は欠かせません。女性患者さんから、先生が女性でよかったとの声を頂くことが度々あり、女性整形外科医の需要は高いと感じています。整形外科に少しでも興味のある初期研修医の先生方、スポーツの好きな学生さん、是非大阪大学整形外科のドアを叩いてみてください。世界が広がります。